会は、形の上では引分けの完成した状態であるが、内面は無限の引分けであり、
上下左右に伸びあい、発射の機を熟させる過程である。
= 三重十文字
1) 会の形での必要条件 (5つ) a. 頬付け(口割り)が一定。
→ 人により多少差があるが、頬骨から口までの間
b. 胸弦がついている。
→ 弓を十分体に引き付けている。 c. 矢束いっぱいに引いている。
→ 右拳は肩の前上あたりにあるはず d. ねらい(的付け)が正しく付いている。
→ ねらいについて
●第1のねらい…………物見を正しく
(打起し)
●第2のねらい
(大三)
?
両肩の線を矢に接触させるように引き込む
第3のねらい
(引分け)
?
押し手は左足先の方向に伸ばす
第4のねらい
(会)
?
両肩の線を矢に近づける
この時、
[A] (足踏みの線)−(両乳頭の線)−(矢の線)が重なり、的に向いている
[B]両目を開けたまま右目で見た像が、
半月のねらい
となるのが、理想である。
なお、
顔向け & 取懸けの位置 & 矢をつがえる位置
が一定であることは言うまでもない。
e.
五重十文字が正しく行われている。
(1)弓と矢
(2)押手の手の内と弓
(3)弓懸けの親指と弦
(4) 胸の中線(背骨の線)と両肩を結ぶ線
(5)首筋と矢
▽会では3秒以上もつこと。
?
……
会で以上(および後述)のことを確認していれば、3秒以上は離せないはずである。
一射一射を大切に!
★
2) 手の内について
3) 勝手について
-
右肘は右拳よりやや低めで、両肩の線よりやや後ろ。
-
取懸けで肘から手先まで軽くひねった状態を保つ。
4) 矢束(矢尺)について
?
のど仏より指先の長さ+指4本の幅
または、
右乳より左指先までの長さ
とされているが、矢の長さは引き込むのを防ぐため、これに指3本を加える。
?
5) 会での心のあり方
……詰め合い・伸び合い・息合いの充実
《詰め合い》
縦・横十文字を基本として、
?
五分の詰めの充実
→右手・左手・左右の肩・胸
〜離れの際に重要な働きをする急所急所を正しく整える
b.
八分の詰めの充実
→五分の詰め+足・腰・腹
c.
五重十文字の充実
をはかるといわれる。
《伸び合い》
縦横十文字を軸とし、積極的に弓力に負けないよう伸張する。
気が技に優先し、これが技を誘発するのである。
《息合いの充実》
息は丹田におろし、決して息を止めるのではないが、腹式呼吸で吸うか吐くかのいずれかの状態である。
▽最も重要なのは、縦線をしっかり取り、左右に伸びあうことである。
息は丹田におろし、しっかり胴造りができていること。
★ 正しいと思われる手の内
?
(付)
○ 矢を番える位置
矢を番える位置は矢どころの上下、矢飛びの早さなどに大きく影響しますから、正しい決め方を知っておかねばなりません。
矢を番えてみて矢の下の線が、握り皮と矢摺籐の境に接する位置に合わせて、弓と矢の角度、弦と矢の角度がほぼ等しくなる場所が正しい位置です。
これとともに、左手の握りの位置も正確に決めておくことがたいせつです。矢を引き込んだときに矢の位置が握り皮の上、矢摺籐の下端にくるようにするために、手の内をきめる際には、握り皮上端から1?くらい下で握ります。こうしておけば弓を引き込むにしたがい、親指根が多少押されて高くなり、会では矢がちょうど矢摺籐の下端にきます。
この関係が崩れて矢を番える位置が高すぎると、矢が下に行きます。また低すぎると矢が上にいき、または上下に波を打って飛びます。このときには発射の際、親指の根を矢がすってゆくため、ここにすり傷ができることがあります。