弓道用語解説
【あ】【か】【さ】【た】【な】【は】【ま】【や】【ら】【わ】

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あずち 
的を立てる土の山。語源は畔地から来たという。

いたづき 【板付】
矢尻のこと。

おおまえ 【大前】
数人並んで順に射るとき、一番前に立つ射手。

おしだいもくひけさんぶんのいち 【押大目引三分一】
古くは、斜面打起しの時の押す力と引く力のバランスにおいて、押す力を大目(おおめ)に押し、引く方は3分の1くらいの力を使うということから由来している。現在の正面打起しでは、引分けで矢束の約半分を引分けたところをいう。肘力とか中力、大三という。

おしで 【押手】
左手のこと。左手は弓を握って押すことからこの名がある。また、弓手(ゆんで)ともいう。これに対して、右手を勝手(かって)ないし妻手(めて)という。

おち 【大後・落・踏止】
3人以上で射るとき、最後の射手をいう。

踊り 【踊り・踊る】

  離れで弓道教本にない動きを加えること。小さなものであれば、振込み、胴造り・肩線の崩壊などがあるが、激しくなると射位線を飛び出し、矢道直前まで走リ込む。押しの力の不足、また、つまり・緩みが生じる時に、無理やり中てようとするために生じる。また、そのようにして中らない矢を中る矢にする技術。多くはパフォーマンス目的であるが、極稀に本気で中てようとしたときに出現する。なお、ガッツポーズなどはただのパフォーマンスであり、踊りではない。


かえづる 【替弦】
行射中の弦切れに備えて、あらかじめ中仕掛けを作り用意しておく予備弦。

かしんじょうたい 【下進上退】
進む時は下座の方の足から進み、退く時は上座の方から退くという原則。(→左進右退

かたね 【肩根】
肩の付け根。肩関節のところ。

からづるをひく 【空弦を引く】
矢をつがえないで弦を引くこと。(絶対に離してはいけない!)

かんてき 【看的】
射手の中り・外れを審判すること。

きげざじょう 【起下座上】
立つ時は下座の方の足から立ち、座るときは上座の方の足から座る。

ぎりこ 【ぎり粉】
松ヤニをとろ火で長く煮込んだもの。その効用は、弓懸を傷めず、弓を引く時のすべり止め、離れのきれをよくするなどである。

くすね 【薬煉・天鼠】
松ヤニに油(食用油)を混ぜ、とろ火で長時間煮て作る。

くちわり 【口割り】
矢束いっぱい引き込んで会に入ったとき、矢を口の高さで水平に右頬に付けること。(→頬付)

ごうじゃく 【強弱】
手首の張りのこと。


さしんうたい 【左進右退】
進む時は左足、退く時は右足から移動するという原則。

さんじゅうじゅうもんじ 【三重十文字】
胴造りの正しい基本体勢。縦線の脊柱線に対し、足踏みの線、腰の線(両腰骨を左右に貫く重心線)と両肩を左右に貫く線の3つが直角に交わり、上から見て1本の線となり、ちょうど1つの十文字となる。

じまん 【持満】
一定の矢尺を引き保ち、引きすぎたりゆるんだりせず、離れまで持ちこたえている状態。

すりあし 【摺足】
足の裏を見せぬよう、床面をするように歩く足の運び方。

せいこく 【正鵠】
的の中心のこと。的心(てきしん)、金的(きんてき)ともいう。


たくる 【手繰る】
会のとき右手首を立てすぎ、手首だけで弦を引いた形。

たんでん 【丹田】
へその下約3cmの下腹部の総称であり、身体の重心のあるところとされる。

つのみ 【角見】
弓道に独特な且つ基本的な技法。これによって弓返りを生じさせ、矢を引いた方向へ真っ直ぐに放ち、顔打ちを防ぐ。

つまぞろい 【爪揃】
弓を握って手の内を整えたとき、弓の左側木で中・薬・小指の三指をよく揃うようにすること。

つるしらべ 【弦調べ】
弓構えのとき、右手取り懸けおよび左手手の内を整える前に、矢筈から頭と視線を同時に静かに、上弦に約20〜30?移し、下に戻って矢筈から下弦に約 20〜30?移し、また矢筈に戻り、矢に沿って矢先へ移して的を見て、矢先から矢に沿って矢筈のところへ戻す作業。

つるね 【弦音】
離れで弦が振動で弓の上関板の下を打つ音。これにより射の良否がわかる。

つるみち 【弦道】
打起しから引分け・会に入る時、弦を引く右拳の通る道。(弓懸の名称にも同名のものがある。)

どうほう 【道宝】
中仕掛を作るとき、上部より圧力を加え、中仕掛がほつれないように固める2個の道具。吉田流始祖 吉田重賢(号は道宝)の名からきている。


たくる 【手繰る】
会のとき右手首を立てすぎ、手首だけで弦を引いた形。

たんでん 【丹田】
へその下約3cmの下腹部の総称であり、身体の重心のあるところとされる。


はきや 【掃矢】
地表を滑って、地表から的や安土に達した矢。

はずこぼれ 【筈こぼれ】
引分け・会・離れで、右手懸口が悪いため矢筈を押し出して中仕掛からはずれること。

はやけ 【早気】
矢を引き込んで会にはいるか入らないかの内に離してしまうことで、最悪の病癖である。

びく 【びく】
会で無意識のうちに、瞬間的に右肘が浮き上がる状態を言う。初心者にはあまり見られない。

ふでこ 【筆粉】
手の内の汗のすべりを止めるもので、モミガラを完全に燃焼させた白い灰、或いはイカの骨の粉。

べたおし 【ベタ押し】
角見が負け、卵中が潰れて掌で弓を押す状態。


まえばなれ 【前離れ】
右手が会の位置より前に出て離れるのをいう。

まぐすね 【麻天鼠】
切れ弦で作ったもので、編み方が似ていることから俗に『わらじ』という。弦を摩擦してくすねをしみこませ、ほぐれを直す。(麻弦の場合)

むなつる 【胸弦】
会で弓を安定させるため、胸に弦を付けること。

めつかい 【目仕かい】
目の使い方のこと。まばたきやキョロキョロした動きは射の品位を損なう。目は半眼に開き、穏やかな中に生気をもたせる。

めつけ 【目付け】
目の付け所(目線)。立った時は約4m(二間)、腰かけたときは約3m(一間半)、座ったときは約2m(一間)の床上が目付けである。

めてばなれ 【妻手離れ】
右手で弦を引きちぎるような離れ。初心者に多い。

もたれ 【もたれ】
早気の反対で、会を持ちすぎになり離れのチャンスを失うこと。


やいろ 【矢色】
矢飛びがまっすぐでなく、泳いだり、筈を振ったりしながら飛んでいく現象。離れの時右手が悪いと起こる。

やぐち 【矢口】
弓を引き込んだとき、押手の矢がのっている部分をいい、取りかけが悪いと、矢先が浮き上がる。(=『矢口が浮く』)また、弓と接触しない。(=『矢口があく』)

やこぼれ 【矢こぼれ】
引分けから会に入る際に、矢が左手親指上から落ちること。

やづか 【矢束】
各人に適した矢の長さ。『矢尺』ともいう。のど仏より左手指先までの長さに指4本を足した長さ。

やどころ 【矢所】
矢の着点。

やわたし 【矢渡し】
競射会や昇段審査などの始めに、行事の主催者や責任者が行う射礼。

ゆがえり 【弓返り】
離れの瞬間、弓が左手の握りの中で回転し、復元した弦が手の甲の方へ回る状態を言う。上長下短の日本弓独特のものである。弓の反動を逃がすものである。


らんちゅう 【卵中】
弓の握り方の呼称。会のとき上押し気味にすると、弓と掌根の間に「うずら」の卵を挟むくらいの空間ができる手の内をいう。




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